2021年 06月 08日
太極拳の機能解剖 |
最近よく聞く「機能解剖学」とは「身体の動きを筋肉の働きから科学的に探究する学問」らしいです。
医術的には理学療法士、運動的にはスポーツトレーナーの領域のようですが太極拳にはその総てが含まれているように思われます。
「機能解剖学」で最初に学ぶのは206個の骨、骨と骨の接点である関節、それを繋ぐ靭帯、動かす筋肉、その結果、骨が動いて身体の動きになりますがネットで様々な解説や意見を見るにつけ療法士もトレーナーも原理原則は語れても動きの質の違いを体現して語れる人は少ないのだと思います。
例えば「縫工筋を緩める」で検索すると殆んどがストレッチの説明で縫工筋が緊張していると膝関節が引っ張られ膝の内側が痛くなる鵞足炎の原因となり、スポーツマンに多い障害で縫工筋を緩めるストレッチが大切・・と?
日本連盟実技テキストには股関節をゆるめて後方に引き込む収胯により足の付け根から下方に向けて伸びる人体最長の縫工筋を緩めることで腰、背骨が中正となる・・と?
いずれも理屈は間違っていませんがスポーツのトップアスリートや太極拳の上級者はそもそも縫工筋は常にゆるんでいるのでストレッチは不要、一般的に殆んどの人は股関節を折って膝を曲げると縫工筋が緊張して緩んではいない、そこで緩んでと言われても緩んだ振りをするだけで緩みません。
(思い当たるのは朱天才老師の膝は開、胯クワは合、それは中殿筋での股関節外旋、小殿筋での股関節内旋だと)
そもそも縫工筋が緩んだ身体の使い方が出来ていれば歩いても走っても身体の上下動、体軸の左右のブレは起きず大腿筋もブルブルしないと思います。
昨日のニュース!陸上短距離100m山県亮太9秒95日本新記録、小学4年でサッカー少年だった彼を見て陸上に誘った恩師のことば「頭の上下動がなく左右の腰も同じ高さで走る姿を見て」と・・この恩師は彼の非凡な身体の使い方を感覚で見抜いたのだと思いますが、それは誰にでも出来る歩き方(正しい歩法)走り方であり動きの基礎基本、そこからの彼の強い意志、向上心(機能解剖学)努力鍛錬が記録を生んだのだと想像します。
実技テキストの縫工筋の記述を読んで調べて6つの股関節の使い方を自分で試して試行錯誤、かれこれ10年、股関節の内旋を作る殿筋の動き、中でも中殿筋、とりわけ小殿筋と大腿骨頭の繋がりから自然に軸がブレない上下動しない歩法、機能解剖学・・㊙真相を知りたい方に、中殿筋は股関節外旋筋、小殿筋は内旋筋、どちらも呼吸(内実)で動くインナーマッスル深層(真相?)筋です。
いずれにしても身体の一部分を覗いても理解は出来ない、内実により身体の凡てが互いに繋がり同時に機能していると思える今日この頃です。
太極拳の機能解剖・・内実(呼吸)から機能が生まれます
虚領頂頸・・後頭骨と仙骨を繋ぐ背面の筋肉・脊柱起立筋が意識できます
沈肩墜肘・・肩関節が身体背面に沈んで胸鎖乳突筋と僧帽筋が緩み肘が墜ちてローテーターカフが機能します
胸含抜背・・呼吸が楽になり背が抜けて吸息で胸腔が広がり腹圧がうまれます
松腰松胯・・中殿筋で腰が保たれ小殿筋で股関節が内旋し体軸がブレなくなります
尾呂正中・・仙骨が立って尾骨が引かれると軸が通ります
立身中正・・縫工筋が緊張することなく膝がゆるんで放鬆
気沈丹田・・呼息でコアマッスルが横隔膜を下げ、下腹に腹圧が保たれます
上虚下実・・上肢の表層筋が緩んで下肢が深層筋で安定して軽やかに・・
相連不断・・すると総てが整い動き出し繋がり続けるのだと思います。
2021/6/9
内実皆無・・動いても
伸領直勁・・頭を吊って首を真っすぐ伸ばし
丸肩垂肘・・肩は丸めて肘を垂らす
胸狭曲背・・息を殺して背を曲げて
動腰折胯・・腰を動かし股間を折って
尾呂凝固・・尻を固めて穴絞めて
立身硬直・・真っすぐ硬く身を立てる
気吸丹田・・息を吸って腹膨れ
上在下脱・・手が動けば足進む
不連分断・・手足それぞれ独立独歩
体幹からの捻りが腰椎から動き出す纏糸勁、それが内実から繋がり続けての相連不断、参考までに・・体幹の捻り纏糸角度は腰椎が僅か左に5度と右に5度、その上の胸椎は左右に30度、更にその上の頚椎は左右45度、なので合計すると内実から動く眼法は黒目が動かないので(機能解剖学)正面から左右80度までが目線の限界です。
(雲手側行歩で正面から真横90度が見えてしまう人は内実のない証しです)
歩法も手法も眼法も形をいくつ覚えても無駄なこと、最初に身法(内実)を身につけるのが太極拳の機能解剖の初歩だと思います。
2021/6/21
最近気づいたこと出来たこと・・(フンと沈めて)小殿筋で股関節を内旋させ(フウと吐いて)中殿筋で股関を外旋(寛骨を拡げ)させ、そこから(スウと入れて)股関節を伸展させるのが(縫工筋が緩む)大殿筋とハムストリングス、すると大中小の殿筋それぞれがバランスよく動き出して自然な歩法から理想の歩型(かたち姿勢)が生まれ・・大谷翔平選手6戦6発で驚異と驚嘆の米media・・これが理想の歩型(姿勢)だと思います。(姿勢が良いからホームランも自然に生まれるのが道理)
昨日も海の向こうでは29.30号と盗塁・生還でサヨナラ劇、大谷ショウタイムに終わりは見えない・・新発見この写真の姿勢を見ていて気付いたこと・・お年寄りの健康講座にも使えそうな虚領(頭の乗せ方)この身体の使い方で座った椅子から立ち上がると殆んど筋力を使わずス~ッと立ち上がれます。
椅子に深く腰掛けていても浅くても大谷選手のように顔を真っすぐ立てたままどこまでも前に押し出せば楽に自然に立ち上がってしまいます。
まるでこの写真の形のように、それが身体の不思議な繋がり機能解剖だと実感です。
投げても打っても走っても無駄な力が入らない、全ては虚領・頂頸のなせる業かも、これは分かりやすくて太極拳の指導でも使えそうです。
2021/7/6
今日の新聞、大谷選手31号でホームランキング独走、筑波大スポーツ科学の准教授の打撃動作解析は二刀流が柔軟性と飛距離を生む「ため」作る肩甲骨と下半身の「しなり」
1.テークバック、捕手方向への引きが年々大きくなっている。2.フォアードスゥイング、肩甲骨の柔軟な動きでスムーズに左肘を体の前に滑り込ませる。3,フォロースルー、体をCの字のように反らして跳ね上げるような豪快な振りは背中・お尻・太腿裏の筋肉が強いからこそできる。・・・との分析らしい
太極拳的機能解析では、1,無理のない大きなバックスィングは後ろ足の中殿筋での股関節外旋で重心移動から生まれる一軸立ちによるもので、前足踵が連動して自然に浮き上がります。2、フォアードスゥイングでの肩甲骨の柔軟な動きは肩甲骨内側のローテーターカフ筋の働きによる沈肩墜肘によって自然に肘が墜ちて体の近くを通りスムーズなバットコントロールが可能となります。3、体を反らした豪快な振りは丹田呼吸で身体の背面の深層体幹筋が腰椎から無駄なく動きだし繋がる含胸塌腰から生まれます。
不思議な違いは太極拳での発勁と大谷選手打撃でのインパクトの呼息・・太極拳は腹が膨らみますが、大谷選手は何故か頬っぺたが膨らみます?
2021/7/14
大谷選手メジャーオールスター戦史上初の投打同時出場で勝利投手に・・野球も機能解剖も太極拳も呼吸内実が伴わなければ本当のことは語れないと実感です。
2021/8/15
大谷選手39号・・最近思う、彼は打つも投げるも走るも殆んど屈筋を使わず多くは伸筋を使っているのではないだろうかと・・
2021/9/29
インパクトの瞬間に頬っぺたが膨らんでいるのはそんなことかも?と想像・・
2022/7/21
今シーズンも大谷さんは絶好調・・・ホームランでの膨らむ頬っぺたはフォロースルーでも息を抜かない方法かもしれません。
太極拳の寸勁も息を吐き切らず溜めても良いかも?
by rakurakutaichi
| 2021-06-08 16:58
| 私の太極拳上達法
|
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Comments(3)
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by
bluehue
at 2021-07-24 16:41
貴方ブログを拝読しております、塚本優子と申します。
「ファンのみ閲覧可能」と表示される記事も
読ませていただきたく、一点質問いたします。
どうすれば「ファン」になれるのでしょうか?
クリアすべき条件等ありましたら、お教えいただけますと幸甚です。
「ファンのみ閲覧可能」と表示される記事も
読ませていただきたく、一点質問いたします。
どうすれば「ファン」になれるのでしょうか?
クリアすべき条件等ありましたら、お教えいただけますと幸甚です。
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by
rakurakutaichi at 2021-07-25 18:36
>コメントありがとうございます。
「ファンのみ閲覧可能」は順次解除しています。
このブログは自分自身の感覚で出来たこと気づいたことを正直に書き綴っていますが内実のない方には理解が難しく腹立たしくさえ思われるようで記述内容の表現に留意して見直し開示いたします。
お読みいただきありがとうございます。
「ファンのみ閲覧可能」は順次解除しています。
このブログは自分自身の感覚で出来たこと気づいたことを正直に書き綴っていますが内実のない方には理解が難しく腹立たしくさえ思われるようで記述内容の表現に留意して見直し開示いたします。
お読みいただきありがとうございます。
Commented
by
bluehue
at 2021-07-25 19:10
こちらこそ、有難いです。
ご返答をいただきまして、ありがとうございます。
順次解除とのこと、了解しました。時を待ちます。
楽しみです。
練りながら時々訪ねます。「あらよっ」と
贔屓の店の暖簾をくぐるみたいに。
ご返答をいただきまして、ありがとうございます。
順次解除とのこと、了解しました。時を待ちます。
楽しみです。
練りながら時々訪ねます。「あらよっ」と
贔屓の店の暖簾をくぐるみたいに。