2019年 07月 16日
纏絲とは |
太極拳で云われる「纏絲」テンシは言い換えればアンギュレーション、その纏絲勁(内実)は動きを止めた瞬間、消えて無くなる・・いやそうでもない? 身体各部の捻りによって生まれた腹圧を保てば、外見の動きを止めても纏絲の勁(内実)は消えないが、その状態はキツイ、まるで倒れてきた重い柱を体で受け止め身動きできない状態、かなり重労働です。
いづれにしても内実を伴うアンギュレーションは必ず腹圧が掛かります。それが李自力先生の仰る「肩を動かさず腰椎部だけを動かすのです」だと思います。
最近やっと云われるようになった「腰が動いて手が動く」・・ここで云われる腰が問題? 「腰とは腰椎」普通に腰を回せば肩も廻る、それは胴体が動き出し、残しておいた手が遅れてついてくる、これが捩じれ(身法)の初歩、手だけが勝手に動く空の手より、胴体に手がくっいて動けばロボットの様でもまだまし、そこからリアルに力を込めると(テンシのもと)未熟なうちは肩が振れて連盟指導では即減点、禁止となる・・・纏絲から生まれる熟練者の勁は、その肩と腰(骨盤)を極力動かさず腰椎部だけを捻ることで生まれる外からは見えにくい(減点されない)アンギュレーションだと思います。「纏絲の基は腰椎」傳清泉老子のように体の中から形が出来てくる太極拳とは、そんなことかもしれません。
纏絲テンシの「纏」は「まとい」纏わりつくように、これを持ち上げ勢いよく振り回すには必ず腹圧が要りますが・・・

誤解のないように、腹圧(内実)はいわゆる腹筋(表層筋)で作るものではないと思います。
正確には腹筋も様々で日常の動きで外からよく分かる代表的な筋トレで鍛える6つに分かれた筋肉が腹直筋、この表層筋を使うと体が固まり呼吸が止まります。だから俗に言われる「腹筋を使って」の指導用語は太極拳では逆効果、そこからは放鬆も纏絲も生まれないと思います。
纏絲の大基、腰椎を動かすのは深層筋、それがコアマッスル、それらは全て呼吸筋、それらを起動させるのが横隔膜、それを瞬時に最大動かすのが逆複式・丹田呼吸・・あるブログに、これが分からなければ気功も太極拳も本当のことは分からない、と・・内実とは呼吸から生まれる深層筋の力、それは腹圧そのものその、腹圧が保たれて初めて表層の筋肉が自然に緩み放鬆が生まれるのであって、これが指導でよく言われる緩みなさい、力を抜きなさいの本当の意味ではないかと思います。
その腹圧から体軸が立ち、そこからの纏絲で手も足も流れるように動き出すのだと実感、それが身法、すると絵のように「め」が動き出す眼法にも繋がり良い事づくめ・・そんな纏絲(テンシ)こそが身法の基本だと思います
2021/5/10
最近気づいた「纏絲」が解らない出来ないひとが?・・よく言われる体の中が動いて手が動くのよ!手だけが先に動くのではありません!といって、腰(骨盤)と肩を一緒に動かし手がついてくる動き、それは纏絲ではない、ただ胴体ごと骨盤を回しているだけ、体幹部の捻りなど微塵もない、初心者なら仕方がないが10年以上のベテランが・・肩腰とは言わないが、せめて腰(骨盤)だけでも動かさず腰(腰椎)の捻りから肩が動き出し時間差で繋がるように腕・肘・手首・掌が動き出す纏絲勁を実感してほしいものです。
達人の動き出しが解り難いのは動き出しの大元の腰椎が右へも左へも5度しか動かせないから・・体の中の動きの変化はごく僅か・・呼吸で動かす僅か5度・・傳清泉さんの動き出しを見て納得です。
2022/2/19
昨日のカルチャー教室で説明した捻り動作(纏絲テンシ)からの鞭のような打撃、ゆっくり行えばそれは甩手(手を放り投げる)スワイショウ動作と同じこと。
これが案外出来ないのだと知った・・甩手も纏絲も要は体幹の捻り戻し、単に捻ると両肩と両腰が同じ方を向き右左に向きが変わるだけ、本来は左右の腰が先ず動き、やや遅れて両肩が動き出し、それにつられて腕肘手の順に動き出す・・そこからが重要、遅れてやってきた手が辿りつく寸前はすでに腰は元に戻り反動で両肩は急停止
して戻り手先に頸力が最大に伝わる。両腰のラインと両肩のラインが(X)大きくずれて(アンギュレーション)交叉するのが頸力の源です。
瞬時の身体の中の動きを言葉で表現するのは難しいが面白いです。
24式の雲手は纏絲テンシそのもの、素早く動けば相手にダメージが・・相手がいると思ってゆっくり体幹部を捻り戻すと自然に足が寄ってくるのが太極拳の套路だと思います。
by rakurakutaichi
| 2019-07-16 12:02
| 太極拳用語集
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