2019年 06月 23日
太極拳の捉え方は |
太極拳の捉え方は・・・[太極拳の動きは日常の動きではない]と云われる、ならば日常の動きとはどんな動きか、ここで云われる日常の動きとは殆んど力など必要としない現代の都市生活での普通の動き。
足の使い方は、無造作に自分の体の重心を前に傾けながら足を出して前足に殆んど体重を乗せてしまう歩き方。(前引き)
手の使い方は、片手だけでも動かせばこと足りるので肩甲骨も使わない小手先での手の使い方。(空の手)
身体の使い方は、ただ体重の移動に合わせて頭を支えるだけで体幹の捻りなど必要としない身体の使い方。(空の腰)
そんな日常の動きから、どんな形をどう作っても所詮は日常の動きそのものから抜け出せないと思います。(腰の仕事量と手の仕事量を合わせましょう?などと云われ頭で考えてするようなものではない)
日常の動きには無い動きとは、例えば、重量挙げ、槍投げ・ハンマー投げ・飛び蹴り・空手チョップ?・相撲・剣道・柔道・サッカー・野球など体幹から動き出す動きそのもの、当然、太極拳もその一つ、ゆっくり動く太極拳だからこそ、体の中の体幹から動き出さなければ何の意味もない(健康の足しにもならない)と思います。
何故、身体の中から動き出せないのか?それは最初に体幹の捻り(纏絲テンシ)を規制・禁止・束縛する指導、思いっきり体を捻って相手を押そうとすると直ぐ注意され、体(体幹部)を動かさずに先ず右手の動きを教えられ次に左手はこですと、身法を使わせない手型歩型最優先の結果だと思います。
どうすれば身体の中から体幹を使って動き出せるようになるのか、ゆっくり動く太極拳であれば、当然、武術として相手との技のかけ合い、攻防を頭に入れて動き出すこと、今、自分は相手とどう接しているのか、それが意識にあれば例え初めてで下手くそでも空の手などありえません。
例えば、搬バン爛ラン睡チュイは一つの繋がった合わせ技、よく見かける右手左手が全く連動せず搬バンで止まり爛ランでまた止まり睡チュイへと、搬バンで向き合い右腕を合わせ、爛ランで右拳を内転させながら左掌底でその方の右肘を押し上げ、崩れたところを腰に回した右拳で相手のど真ん中の鳩尾に睡チュイ、それは爛ランで半歩踏み込んでいるので、ごく至近距離、腕など伸ばすことは出来ない、ところが殆んどの方の睡チュイでの拳は相手の体を突き抜け、その前の爛ランでは遥か前方へ撫でるように手を送り、左手爛ラン手先と右腰横に向かう右拳との距離はなんと1m、膝と肘を合わせるのが太極拳と云われながら矛盾する動きに違和感も感じないのは相手との接点が意識出来てないからだと思います。形は止めても形ですが、動きは止めた瞬間に動きではなくなります。太極拳を形として捉えるか、動きとして捉えるか、その違いは地と天ほど離れていくのだと思います。
大切なことは太極拳に限らず動きは動きを止めた瞬間、動き(日常の動きではなく)ではなくなる・・と云うこと。
何故か、それは腰椎が捻り(纏絲テンシ)働き出す力(内実)から生まれ繋がる動きだからです。
日常の動きで内実も無く動いている方は途中で止めても、止められても違和感が無いと思いますが、内実で動く最中、突然の中断で纏絲勁は切れ内実も消え、車で言えばエンジン停止の状態に・・李自力先生の言葉がここでも頭をかすめます「内実も無く見よう見まねで達人の動きを真似ても無意味です」巷でよく聞く指導の言葉、太極拳に力は要らない?は言葉足らず、誤解のもと、勘違い、大間違い、人の筋肉には深層赤筋と表層白筋があり使い方も効果も雲泥の差、確かに上腕筋・力こぶ(表層筋・白筋)は不要、使えばパンチ力もスピードも落ちる、あらゆるスポーツも太極拳も必要なのはコアインナーマッスルの力、深層筋・赤筋、呼吸筋・・また自力先生の言葉「肩を動かさず腰椎部だけを動かすのです」それが内実の素、動き出しの源・・だと思います。伝清泉さんの言葉「日本の方は手を動かしているようですが太極拳の手は使うもの(働かせるもの)です」・・・動くは日常、働く(スポーツ)は非日常、貝原益軒の養生訓「健康のためには日々もっと労働(スポーツ)をしなさい」だから太極拳は健康に良いのだと思います。
2019/7/3
最近、連盟の指導が少しづつ変わってきた「手が先に動くのではありません」「先ず腰が動いて手が動きます」ようです。
これこそ内実があれば自然にそのように動き出しますが、内実は腹圧から生まれ、腹圧は呼吸から生まれます。
無呼吸で形ばかり覚えてきた人には今さら云われても難解なことだと思います。
2021/5/5
最近、上級者には「内外相合」の要求がされるらしい、「内」とは内実そのもの身体の中の動き、腰椎の捻りからの纏絲で四肢が動き出す、それは身法そのもの、「外」とは外見、外からの見た目を装い、それらしく見せる、「相合」とは中からの動きの結果が自然に外に現れれるのだと思います。
by rakurakutaichi
| 2019-06-23 11:47
| 私の太極拳上達法
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Comments(2)
Commented
by
コンドル
at 2019-07-07 06:40
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卓球とピンポン
五段増設もそこまで来て、今ようやく「手より腰が先ですか」
例えば卓球。やってた人は分かります。
特に最近の日本人若手選手のバックハンドは凄いレベルに達しています。
ピンポンではありません。太極拳の前に卓球を提案します。
頑張れ!卓球日本!
五段増設もそこまで来て、今ようやく「手より腰が先ですか」
例えば卓球。やってた人は分かります。
特に最近の日本人若手選手のバックハンドは凄いレベルに達しています。
ピンポンではありません。太極拳の前に卓球を提案します。
頑張れ!卓球日本!
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by
rakurakutaichi at 2019-07-08 12:40
なるほど卓球とピンポン、武術と太極拳、本当は同じことなのですが、おっしゃる通りですね。