2016年 05月 19日
上手くならない太極拳(跟歩) |
太極拳に出会ってかれこれ10年・・自分自身の感覚では特にここ数年周りと比べ随分上手くなったように感じます。はっきり云って手前味噌、自画?自賛ですが、同じ頃一緒に始めた人達の動きを見ていて強く思います。この差はどうして・・・
Yahoo知恵袋「運動能力アップのコツ。身体が覚える記憶について・脳シリーズ」
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n3296 ・・・ヒントが一杯です。
最近の研究で「身体で覚える」というのは「小脳が記憶する」ということだというのがわかってきたらしいです。何も考えずにできる行動「例えば自転車に乗る」は小脳が覚えているからこそできることで大脳が「有意識」を担っているのに対し小脳は「無意識」を担っているということらしいです。
小脳の記憶はいつまでも残り大脳の記憶は残りません。また、無意識運動の小脳への蓄積は、あれこれと試行錯誤する中での身体の内感で気持ち良く上手くできたことを記憶していくらしいです。
極論すれば気持ち良く動かなければ小脳に記憶されるものは何もないと言う事です。
大脳を駆使していくら考え思い出して繊細な形を取り繕って動いても、気持ち良く繋がらない動きでは小脳に残らないようです。「小脳はうまさの素」・・らしいです。
小脳は身体の中の感覚(内感・深層筋)を記憶するのであって、ただ手と足を動かす(外観・表層筋)套路を何万回やっても無駄なように思います。
最近、各地で日本連盟の三段対策講習会が増えている様子です。
http://www.jwtf.or.jp/new/160515_06.html
初段の私は内容を知るよしもありませんが、あちらのブログ、こちらの会話などで・・
どうやら収脚と跟歩が講習内容にあったようです。
収脚のときも跟歩のときも、身体が伸び上がったり前後に揺れたりしてはいけないらしいです。
放鬆して即、頂勁が出来てないと無理らしいです。
・・・放鬆、即、頂勁 は 繋がり流れるリズムから自然に導かれるものだと思います・・・
この講習を2日間、講習費18.000会場費3.000合計21.000で受けてきた方が教室で跟歩の練習・・残念ながら放鬆頂勁で体軸を動かさずはマスターできなかったようです。
ただ軸を動かしてはいけません、身体が伸び上がってはいけません、と指導されても・・ど~うすりゃいいの~か?思案橋・・♪ 高額講習料をとっておいてちょっと無責任かも!
跟歩は無意識で自然に足が半歩寄ってきます・・ここで後ろ足を半歩寄せての指導は誤解の素
自然に寄ってこない方は、その前の弓歩に問題が・・定式と過渡式に切れ目はありません。
2枚の写真の弓歩、野馬分髪と桜膝拗歩の違いはありますが、ここから白鶴亮翅、手揮琵琶への
跟歩の動作要領は同じです。
最初の写真の弓歩は大脳で考え作った不自然で繋がらない弓歩のように思えます。
残念ながらここからの跟歩は後ろ足の縫工筋を緊張させ意識的に(股関節の屈曲)膝を曲げないと絶対に足が半歩寄ってきません。
日本連盟実技テキストの12P、6股関節には・・収胯では縫工筋を緩めて・・とあります。

長年シード選手だった方のようですが・・弓歩でのNG3点、反り腰・膝かぶり・蹴り足の萎え
ご自身のYouTube投稿動画の一コマですが何万回とクリックされ教室もお持ちのようです・・
上下2枚の弓歩・・あなたの目で良いと思うのは・・・どちらを選んだかで上達は雲泥の差・・

一方この方の弓歩は・・前胯を正しく(内旋)収め7割重心を乗せた定式
自然にやや前傾した体軸(斜中正)・・鼻先、膝先、爪先が美しく揃った姿勢から
左足胯と右掌が実となる頸の通り(虚実分明)がはっきり見て取れます。 この弓歩から・・
実の推し手の頸と胯の頸を収める(放鬆)ことで鼻先が爪先から踵へ僅かに移動し
体軸が真直ぐ立ち、その体軸が重力で引き込まれる動き(頂勁)で身が立ち
意識することなく後ろ足爪先が必ず理想の場所に軽く自然に半歩寄ってきます。
・・この時の頂勁、の身体内感覚を視覚感覚で例えるなら、池に投げ込まれたオモリのついた鉛筆のような長いウキが一寸と沈んで真直ぐに立ち戻る・・そんな感覚で~す。
更に自然に寄ってくる後ろ足はオモリの先の釣り針の動きと同じに思えます。
(注:身体内の感覚は動きを止めた途端に絶たれ消えてしまいます)
なので不自然で繋がらない止ってしまった弓歩の定式から、この感覚は生れてきません。
要するに、頸の充実した自然な本物の動きでの定式から自然な跟歩へと繋がるのだと思います。
太極拳は力を使わない・力は要らない・・は誤解の素
達人でもない者が最初から力を込めずして頸など生れません。
力を抜くには先ず力を入れる・・それが大局?の道理・原理。
自分の身体に先ず頸を感じられなければ、そこから生れる放鬆も感じることは出来ないと思います。更に、ここで云う力を込めるとは表層筋の腕力等ではなく腹圧を高めながら息を吸う(丹田呼吸)身体の中(深層筋)の力(頸)です。
当然、最初は無駄な力が入ります、無駄な動きも出てきます。
(注:最初は頭が突込み肩が振れ、あれは悪い見本ですっと笑われますが、随分笑われましたが)
上達するにしたがい無駄な力が無駄な動きが無くなっていけば良いのだと思います。
それが本当の上達だと思います。
美しい定式は理にかなった自然で気持ちの良い過渡式から作られるような気がします。
太極拳が変わるかも・・定式大脳(記憶)太極拳から過渡式小脳(感覚)太極拳へ・・気持ち良いです・・
2016/5/27
先週このブログを投稿した翌日、やっぱり四段先生の教室でも収脚と跟歩が講習内容となり、師曰く・・弓歩定式からの収脚は真直ぐ立てた体軸を一度少し前傾させ、それを戻す流れで後ろ足を寄せてくる・・との(一度、斜中正にするということかも)説明があり、皆は微妙なその感覚が分からない様でした。身体の中の繫がり、抜重から身体が立ち、後ろ足が流れるように引き寄せられる感覚・・せっかく師が丁寧に説明されたことを一週間後の今日の教室では誰も出来てもいなくて話題にもなりません。あいにく今日は師は東京本部出張でお休み・・大事な基本はそっちのけ・・表演会の24式に続いて切れ味の悪い剣を握ったかと思えば次は扇に持ち替えて小手先套路・・先週のゲンブーおぼえてる?と聞くと・・ナンだったっけ? やっぱり大脳の記憶は一週間ともたないようです。
koredeha,umakunaruwakegaarimasenn.
2018/3/9 久し振りに読み返して追記
今日は自分の教えるカルチャー教室で弓歩と次への繋ぎの説明をしてきた・・最初の野馬分髪での弓歩定式は技の性質上、右足左手が実となり、肩腰が相手に正対せず前足胯が収まらない状態での定式が多く見られますが、そこから更に前胯を内旋させ収め切る事が次への動き、后坐と収脚へスムーズに繋ぐ重要ポイントで、跟歩も同じ事です。
最初の写真は論外ですが二枚目の桜膝拗歩の定式では肩腰が相手に正対して右手と前胯が実となり自然に前胯が内旋で収まり、極端に言えば伝統楊式傳清泉さんのように后坐動作無しの次への収脚へも簡単に繋がります。
Yahoo知恵袋「運動能力アップのコツ。身体が覚える記憶について・脳シリーズ」
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n3296 ・・・ヒントが一杯です。
最近の研究で「身体で覚える」というのは「小脳が記憶する」ということだというのがわかってきたらしいです。何も考えずにできる行動「例えば自転車に乗る」は小脳が覚えているからこそできることで大脳が「有意識」を担っているのに対し小脳は「無意識」を担っているということらしいです。
小脳の記憶はいつまでも残り大脳の記憶は残りません。また、無意識運動の小脳への蓄積は、あれこれと試行錯誤する中での身体の内感で気持ち良く上手くできたことを記憶していくらしいです。
極論すれば気持ち良く動かなければ小脳に記憶されるものは何もないと言う事です。
大脳を駆使していくら考え思い出して繊細な形を取り繕って動いても、気持ち良く繋がらない動きでは小脳に残らないようです。「小脳はうまさの素」・・らしいです。
小脳は身体の中の感覚(内感・深層筋)を記憶するのであって、ただ手と足を動かす(外観・表層筋)套路を何万回やっても無駄なように思います。
最近、各地で日本連盟の三段対策講習会が増えている様子です。
http://www.jwtf.or.jp/new/160515_06.html
初段の私は内容を知るよしもありませんが、あちらのブログ、こちらの会話などで・・
どうやら収脚と跟歩が講習内容にあったようです。
収脚のときも跟歩のときも、身体が伸び上がったり前後に揺れたりしてはいけないらしいです。
放鬆して即、頂勁が出来てないと無理らしいです。
・・・放鬆、即、頂勁 は 繋がり流れるリズムから自然に導かれるものだと思います・・・
この講習を2日間、講習費18.000会場費3.000合計21.000で受けてきた方が教室で跟歩の練習・・残念ながら放鬆頂勁で体軸を動かさずはマスターできなかったようです。
ただ軸を動かしてはいけません、身体が伸び上がってはいけません、と指導されても・・ど~うすりゃいいの~か?思案橋・・♪ 高額講習料をとっておいてちょっと無責任かも!
跟歩は無意識で自然に足が半歩寄ってきます・・ここで後ろ足を半歩寄せての指導は誤解の素
自然に寄ってこない方は、その前の弓歩に問題が・・定式と過渡式に切れ目はありません。
2枚の写真の弓歩、野馬分髪と桜膝拗歩の違いはありますが、ここから白鶴亮翅、手揮琵琶への
跟歩の動作要領は同じです。
最初の写真の弓歩は大脳で考え作った不自然で繋がらない弓歩のように思えます。
残念ながらここからの跟歩は後ろ足の縫工筋を緊張させ意識的に(股関節の屈曲)膝を曲げないと絶対に足が半歩寄ってきません。
日本連盟実技テキストの12P、6股関節には・・収胯では縫工筋を緩めて・・とあります。

ご自身のYouTube投稿動画の一コマですが何万回とクリックされ教室もお持ちのようです・・
上下2枚の弓歩・・あなたの目で良いと思うのは・・・どちらを選んだかで上達は雲泥の差・・

自然にやや前傾した体軸(斜中正)・・鼻先、膝先、爪先が美しく揃った姿勢から
左足胯と右掌が実となる頸の通り(虚実分明)がはっきり見て取れます。 この弓歩から・・
実の推し手の頸と胯の頸を収める(放鬆)ことで鼻先が爪先から踵へ僅かに移動し
体軸が真直ぐ立ち、その体軸が重力で引き込まれる動き(頂勁)で身が立ち
意識することなく後ろ足爪先が必ず理想の場所に軽く自然に半歩寄ってきます。
・・この時の頂勁、の身体内感覚を視覚感覚で例えるなら、池に投げ込まれたオモリのついた鉛筆のような長いウキが一寸と沈んで真直ぐに立ち戻る・・そんな感覚で~す。
更に自然に寄ってくる後ろ足はオモリの先の釣り針の動きと同じに思えます。
(注:身体内の感覚は動きを止めた途端に絶たれ消えてしまいます)
なので不自然で繋がらない止ってしまった弓歩の定式から、この感覚は生れてきません。
要するに、頸の充実した自然な本物の動きでの定式から自然な跟歩へと繋がるのだと思います。
太極拳は力を使わない・力は要らない・・は誤解の素
達人でもない者が最初から力を込めずして頸など生れません。
力を抜くには先ず力を入れる・・それが大局?の道理・原理。
自分の身体に先ず頸を感じられなければ、そこから生れる放鬆も感じることは出来ないと思います。更に、ここで云う力を込めるとは表層筋の腕力等ではなく腹圧を高めながら息を吸う(丹田呼吸)身体の中(深層筋)の力(頸)です。
当然、最初は無駄な力が入ります、無駄な動きも出てきます。
(注:最初は頭が突込み肩が振れ、あれは悪い見本ですっと笑われますが、随分笑われましたが)
上達するにしたがい無駄な力が無駄な動きが無くなっていけば良いのだと思います。
それが本当の上達だと思います。
美しい定式は理にかなった自然で気持ちの良い過渡式から作られるような気がします。
太極拳が変わるかも・・定式大脳(記憶)太極拳から過渡式小脳(感覚)太極拳へ・・気持ち良いです・・
2016/5/27
先週このブログを投稿した翌日、やっぱり四段先生の教室でも収脚と跟歩が講習内容となり、師曰く・・弓歩定式からの収脚は真直ぐ立てた体軸を一度少し前傾させ、それを戻す流れで後ろ足を寄せてくる・・との(一度、斜中正にするということかも)説明があり、皆は微妙なその感覚が分からない様でした。身体の中の繫がり、抜重から身体が立ち、後ろ足が流れるように引き寄せられる感覚・・せっかく師が丁寧に説明されたことを一週間後の今日の教室では誰も出来てもいなくて話題にもなりません。あいにく今日は師は東京本部出張でお休み・・大事な基本はそっちのけ・・表演会の24式に続いて切れ味の悪い剣を握ったかと思えば次は扇に持ち替えて小手先套路・・先週のゲンブーおぼえてる?と聞くと・・ナンだったっけ? やっぱり大脳の記憶は一週間ともたないようです。
koredeha,umakunaruwakegaarimasenn.
2018/3/9 久し振りに読み返して追記
今日は自分の教えるカルチャー教室で弓歩と次への繋ぎの説明をしてきた・・最初の野馬分髪での弓歩定式は技の性質上、右足左手が実となり、肩腰が相手に正対せず前足胯が収まらない状態での定式が多く見られますが、そこから更に前胯を内旋させ収め切る事が次への動き、后坐と収脚へスムーズに繋ぐ重要ポイントで、跟歩も同じ事です。
最初の写真は論外ですが二枚目の桜膝拗歩の定式では肩腰が相手に正対して右手と前胯が実となり自然に前胯が内旋で収まり、極端に言えば伝統楊式傳清泉さんのように后坐動作無しの次への収脚へも簡単に繋がります。
by rakurakutaichi
| 2016-05-19 18:19
| 太極拳ひとり言
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タイトル : 太極拳の基本「弓歩」が難しい
太極拳を続けて6年になりますが、未だに基本の「弓歩」で納得の行く動きができません。最近、特に意識しているのは「前の膝をつま先の直上まで進める。逆に膝をつま先より前に出さない。そのため前足は、つま先ではなく踵側に体重を掛ける。」事です。 「弓歩」について、判り易く解説をしているページを見つけたので、引用させて頂きます。最初の写真の動画は、ネット検索すると最初の方に出てくるので私も参考にした事がありますが、何か動きに不自然さを感じていました。記事の作者曰く「弓歩でのNG3点、反り腰・膝かぶり・蹴り足の萎...... more
太極拳を続けて6年になりますが、未だに基本の「弓歩」で納得の行く動きができません。最近、特に意識しているのは「前の膝をつま先の直上まで進める。逆に膝をつま先より前に出さない。そのため前足は、つま先ではなく踵側に体重を掛ける。」事です。 「弓歩」について、判り易く解説をしているページを見つけたので、引用させて頂きます。最初の写真の動画は、ネット検索すると最初の方に出てくるので私も参考にした事がありますが、何か動きに不自然さを感じていました。記事の作者曰く「弓歩でのNG3点、反り腰・膝かぶり・蹴り足の萎...... more
弓歩6年、前膝は爪先で止める・・ではなく、10年目の正しい弓歩では身体の不思議、自然に止まるのです。
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一枚目の写真の方は時々動画サイトで目にします。キレイな定式なのでしょうが敵は目前にイメージできません。。二枚目の写真の方には前方の敵がイメージできます。前方にいる敵を捌き反撃して身を守る。この武術的動作自体が内臓を動かし健康にもいいと以前学びました。
コンドルさんコメント有難うございます。
仰るとおり武術の動きは内臓が思いっきり動くので身体に良いですよね。
然し実際に相手がいると相手も自分も怪我をするかもしれません。
ところが、ゆっくり動く24式太極拳は実際にはぶつかり合わないので安心で、表層の筋肉も使う必要がなく、ただ簸たすら武術の攻防を想像して内臓を目いっぱい動かすので汗が噴出し気血が廻り健康になります。
でも残念なことに1枚目の写真の方も私の周りの殆んど方も汗もかかないようです。
仰るとおり武術の動きは内臓が思いっきり動くので身体に良いですよね。
然し実際に相手がいると相手も自分も怪我をするかもしれません。
ところが、ゆっくり動く24式太極拳は実際にはぶつかり合わないので安心で、表層の筋肉も使う必要がなく、ただ簸たすら武術の攻防を想像して内臓を目いっぱい動かすので汗が噴出し気血が廻り健康になります。
でも残念なことに1枚目の写真の方も私の周りの殆んど方も汗もかかないようです。